「登記」にまつわるトラブル!不動産購入時は要注意

不動産投資

土地や建物といった不動産を購入する際、通常は不動産登記記録を確認します。

しかし、登記の確認をせずに契約する場合や登記記録が事実と異なる場合があります。

  • 無登記の不動産を購入した場合
  • 登記記録を未確認で購入した場合
  • 登記簿が事実と違った場合

・・・起こりうる代表的なトラブル事例と登記の重要性。

登記に関するトラブルは意外と多いので、今回注目して考えてみましょう。

さらに登記記録以外に有効な不動産所有者の確認方法をご紹介させて頂きます。

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登記とは

不動産登記とは、不動産の現況と権利変動の記録を公示する制度です。

登記簿上に所有者として名前を記録することにより、誰に対しても不動産の所有者は自分であると主張できます。

土地は一筆ごと、建物は一個ごとに登記記録を作成し、表示に関する登記が記録される表題部権利に関する記録がされる権利部で構成されます。

表題部

登記原因・所在・面積・構造など

権利部

甲区乙区に分かれる

甲区・・・所有権に関する事項(買戻し・差押え含む)
乙区・・・所有権以外の権利に関する事項(抵当権・地上権等)

登記には、表題登記・保存登記・移転登記・抹消登記の4つがあります。

■表題登記
建物を築造した際、最初に行う登記(建物完成後1カ月以内)
■抹消登記
登記を抹消する登記(抵当権抹消登記等)
■保存登記
表題登記された建物所有権の登記
■移転登記
所有権移転の際に行われる登記(相続・売買等)

不動産の売買や貸借を円滑に行うためには、登記が必要です。

自身の財産保全の為にも、第三者に対する対抗手段としても、取引の安全性を考慮するうえで必要不可欠です。

しかし、不動産の所在地、種類、面積、構造などを記録する表題登記は法的義務ですが

登記の権利部に関して法的義務はありません。

未登記によるデメリット

自己の所有権を主張するには、登記は必要です。

では、登記をしなかった場合に、どのような問題があるのでしょうか?

  • 未登記の不動産は、担保として金融機関から融資を受けることができない
  • 未登記の建物があると、土地の担保価値が減少する
  • 登記名義が不明な場合不動産の誰も買い手がつかない

実際の売買では司法書士に登記手続きを代理依頼することになると思いますが、手間や費用を惜しんで登記手続きを怠ると、後に大きな問題が生じるかもしれません。

自分には関係が無いと思っていても、不動産トラブルの元はあちこちに転がっています。

これから不動産の購入をする場合は、必ず登記記録を調べましょう。

登記事項証明書の交付請求

不動産売買を行う際は、慎重に慎重を重ねて取引したいですよね。

不動産の権利関係を調べるには、まず登記事項証明書の交付請求を行います。

不動産登記記録は、法務局に保管されています。

登記事項証明書は、窓口請求・郵送請求・オンライン請求にて誰でも交付請求できます。

登記事項証明書の種類

全部事項証明書・・・登記記録の全部証明
何区何番時効証明書・・・権利部の相当区に関する証明
現在事項証明書・・・現に効力を有する部分

登記にまつわるトラブル【Q&A】

Q:【二重売買】って違法じゃないの?

A:違法ではありません。

二重売買の各取引自体は有効です。

ただし、所有者として誰に対しても主張できる所有権者となるのは一方だけです。

そのためには、登記が対抗要件になります。

もう一方の買主より、先に登記手続きを完了する必要があります。

お金を支払ったのに不動産が手に入らなかった者は、売り主に対して契約解除や損害賠償請求をする事ができます。

手間ばかりかかってメリットはありません。

Q:売り主が無権利者だった場合どうなる?

A:もし売主が勝手に第三者の不動産を売却した場合、他人物売買になります。
登記記録を確認せずに不動産を購入したら、売り主が真の所有者では無かったというケースもあります。

Q:【他人物売買】って違法じゃないの?

A:違法ではありません。

他人物売買も、民法上有効です。

売主が真の所有者から所有権を取得することが出来れば問題は無いのですが、それが出来なかった場合は、もちろん不動産を取得する事はできません。

この場合、売主に代金を支払っても実際には不動産は手に入りません。

売主に対して、契約解除や損害賠償請求はできますが、不動産は取得できません。

Q:購入した不動産に他の権利が付いているけど?

A:担保になってしまっている土地や建物なので、売り主(債務者)がローンなどの借金を返せなくなった場合、その不動産は競売にかけられる恐れがあります。

代金の支払いと不動産の引渡しが完了し、実際に使用できるけど、登記の際に抵当権など他の権利が付着していることを発覚するケースもあります。

・・・事前に登記記録を確認しておけば、容易にわかったはずです。

Q:「登記には、対抗力はあるが公信力が無い」って?

A:登記は、第三者に対して自己に権利があることを主張できる対抗手段ですが、登記を信用して真の所有者では無い「無権利者」と取引をしても保護されません。

登記事項証明書の内容が事実と異なる場合があります。

所有者が違ったり、面積が異なっていたり、移転登記を行われなかった不動産は、様々な問題を抱えます。

登記には対抗力はあるが公信力は無い

登記記録が現状と異なるケースは、残念ながら稀にあります。

登記以外の所有者の確認方法

登記記録が正しくない場合、どうすればよいのでしょうか。

登記簿は不動産の「戸籍」のようなものなので、ほとんどの場合は正しいですが、慎重に取引したい場合は念のため他の方法でも所有者が誰になっているか確認をすることが効果的です。

登記事項証明書だけでなく、固定資産税の納税や課税台帳を確認を推奨します。

未登記の建物も、市町村の専門員が固定資産税などの税金徴収のために所有者について調査します。

また、実際に現地を見学に行ったり、近隣者に聞き込みをすることも有効です。

まとめ

今回は、登記についてトラブル事例を中心に登記の重要性ご紹介しました。

登記記録を確認せずに行う不動産取引の危険性をご理解い頂けましたでしょうか。

  1. 自分が所有者である事を主張するには登記が必要
  2. 二重売買・他人物売買・共有不動産を購入しない為には登記記録の確認が必須
  3. 登記事項証明書と固定資産課税台帳をあわせて確認すれば安心

不動産購入は高額の買い物なので、多少時間やお金がかかっても権利関係をしっかりと確認してから契約に進みましょう。

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