土地収用の「正当な補償」ってなに!?不満がある場合の対処法を解説

ライフハック

土地収用・・・

土地を一方的に取り上げられるで身近に起こらない特殊なケースをいう印象がありますよね。

公共事業用地として買取りたい施工者と土地所有者の合意に至らない場合、解決法の一つつとして土地収用の手段を取られる可能性があります。

実家の土地が、土地収用対象に!?

損失補償の額ってどうやって決めるの?

など、分からない事が多いですよね。

「保障」に納得できない場合にどのような対策ができるのでしょうか。

今回は、土地収用の「正当な補償」を受けるための手続きをご紹介します。

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土地収用とは

土地収用
公共事業のため土地を必要とする場合において所有権などを強制的に取得・使用すること
土地収用法
土地収用の要件・手続き・損失補償についての規定

公益事業用地として土地の提供を求められた際、当事者同士で話し合って売買・賃貸借契約をすることが原則です。

公共事業の施工者は「国・地方公共団体」等で起業者と呼ばれます。

道路・河川・鉄道・学校など公共事業のために、新たな土地を必要とします。

土地取得について、ほどんどのケースは、起業者と土地所有者等との任意の用地交渉によります。

しかし、合意に至らず、契約困難な場合、紛争解決手段として収用制度を活用する方法があります。

土地所有者が事業に反対したり、補償金額に不満があり、土地を取得できない
事業自体が実施不能となると、社会にとってデメリットとなる
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土地収用法を活用
土地所有者等に「正当な補償」を行う事で、土地を取得することが出来る!

土地収用法は土地所有者の意思に反しても、強制的にこれを取得できる制度なのです。

つまり、土地収用に関しては「正当な補償」を受けることが重要なので、損失に不満な場合は不服申し立て、訴訟、損失補償などできる事を知ることが大切です。

土地収用の流れ

公共事業を行おうとする起業者の申請により、土地収用の手続きは「事業認定手続」「採決関係手続」の2段階に分かれます。

事業認定手続(国土交通大臣・都道府県知事の権限)

土地収用することができる事業であることの認定手続き。

要件

  1. 事業内容が法律で定められた「収容適格事業」である
  2. 起業者に事業を遂行できる十分な意思と能力を有する
  3. 事業計画が土地の適性かつ合理的利用に寄与している
  4. 土地を収用、使用のために公益上の必要がある
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事業の公益性を判断

採決関係手続(都道府県の収用委員会の権限)

収用・使用するための手続き。

原則として起業者の申請により、収用委員会が審査・決定をする。
起業者は土地を収用・使用する法的地位を獲得し、土地所有者等への損失の補償額が決定される。

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正当な補償の額を決定

採決が決定すると、土地所有者等が土地の引渡義務を履行しない場合、起業者の請求により、都道府県知事 は代執行可能となります。

つまり、無理やり取り上げられます。

土地収用のメリット

土地収用のメリットは以下の4点です。

  • 補償について当事者間の意見がまとまらない。
  • 起業者・公益事業の内容への不信がある。
  • 土地について借地権や物権を持つ権利者の合意が得られない。
  • 所有者が誰か特定できない。

このような場合に収用制度が効果的です。

事業認定手続き

起業者に下記の義務付けがあるので、「なぜ土地収用されるのか」「どのように土地を利用されるのか」を確認することが出来ます。

  • 起業者による事前説明会の開催の義務付け
  • 請求があった場合、公聴会の開催の義務付け
  • 反対意見があった場合、第三者機関からの意見聴取の義務付け
  • 認定理由の公表

収用裁決手続き

補償金等の払渡方法の合理化・土地調書・物件調書について市町村長等による代行署名手続き、事業認定に対する不服を主張することができず、損失についての手続きのみを行うことにより迅速な手続きとなります。

  • 起業者による収用裁決申請
  • 補償額の決定
  • 土地明け渡し

土地収用の手続きに要する時間は、土地権利者の数によりますが、通常半年から1年前後です。

裁決に不服が!裁決書や補償金の受領を拒否したい

裁決書や補償金の受領を拒否しても、公示送達・供託など所定の手続により、裁決書や補償金は受領したものとみなされます。

裁決は有効となり拒否できません。

裁決に不服!どうすればいいの!?

収用委員会の裁決に不服がある場合には、審査請求や訴訟の提起が可能です。

損失補償に不服 → 当事者訴訟(行政事件訴訟法)

裁決書の正本送達を受けた日から6か月以内に裁判所へ訴訟を提起できる。

訴訟提起する者が土地所有者・関係人であるときは起業者を

起業者であるときは土地所有者・関係人を、それぞれ被告とします。

※裁決の取消訴訟や行政不服審査法による審査請求はできません!

損失補償以外の不服 → 審査請求

裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から起算して30日以内に、国土交通大臣に審査請求できる。

損失補償以外の不服 → 裁決の取消訴訟

裁決があった事を知った日から3か月以内に、都道府県を被告として裁判所へ訴訟提起できる。

損失補償の額等は訴訟しか方法がないので、裁判となりますが、収用裁決自体に不服がある場合は、審査請求など不服申し立ての方法がありますので、裁判より簡易・迅速な手続きになります

まとめ

  • 公益事業用地として土地の提供を求められた際、当事者間で解決しない場合、土地収用される場合がある。
  • 土地所有者等は、土地明け渡しと引換えに、「正当な補償」を受ける権利がある。
  • 損失補償に不満がある場合は、「当事者訴訟」ができる
  • 裁決自体に不満がある場合は、「審査請求」「裁決の取消訴訟」ができる

土地収用」は大切な不動産を一方的に不合理に取り上げられるという印象がありますが、憲法や法律で「正当な補償」が必要と明記されています。

「正当な補償」について、具体的にどのように判断し、請求すべきかについては、

・・・長くなってしまうので、またの機会にします(〃▽〃)

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