株式投資をしていると、好材料が出たり、サプライズ決算でストップ高になる銘柄が毎日のように出てきますよね。
ストップ高、ストップ安になると、しばらくの間はストップ高なら上げ目線、ストップ安なら下げ目線の値動きとなることが多いです。
ストップ高初日に買付できれば、翌日以降の利益を狙える可能性があります。
しかし、ストップ高ということは、注文を出していても約定しない場合がほとんどです。
この場合に約定させる確度を上げる方法はあるのでしょうか。
ストップ高、ストップ安になる場合、比例配分という方式で約定させていくことになります。
どの投資家に約定させるかという配分ルールは、証券会社各社によって異なります。
今回は、ストップ高銘柄を購入したい場合、どの証券会社にどのように注文を出せば、約定しやすいかまとめました。
ストップ高から上昇トレンドが狙える株銘柄を賢く購入したい方は、是非最後までご覧ください。
1.ストップ高・ストップ安でも注文は約定する!?
株価はその日の値幅制限の上限まで上昇すると「ストップ高」という状態になり、売買が一時的に停止します。
朝から買い気配で大引けで値が付いた場合や、一度値が付いてから特別気配となり、大引けで値が付いた場合をストップ高といいます。
「ストップ高」になる株銘柄は、強い勢いがあるので、翌日以降も株価が上昇傾向になりがちです。
ストップ高銘柄の株を買うことが出来れば、利益を増やす可能性が高まります。
ストップ高投資法と呼ばれます。
・・・「ストップ高」になった株を買うことはできるのでしょうか?
ストップ高の場合には制限値段に1売買単位以上の売り注文がある場合、ストップ安の場合には、1売買単位以上の買い注文がある場合、売買が成立します。
ストップ配分と呼ばれますが、配分されない証券会社が出る場合もあります。
ストップ高の場合は、売り物が少なく買い物が殺到している状態です。
数少ない売り株数の争奪戦です。
2.比例配分方式とは
通常、株価の終値を決める売買は「板寄せ方式」で行われます。
しかし、売りまたは買いどちらかの成行注文などが大量に発注されてストップ値段になると、板寄せで終値をつけることができなくなります。
その場合は、「比例配分(ストップ配分)」という方法で売買を成立させることで値決めします。
比例配分方式で終値を決める場合は、まず、会員証券会社1社当たりに1単位ずつの売り株数が配分されます。
その後は、注文数量の多い証券会社から順番にで1単位ずつ配分します。
例)ストップ買い気配で終了
買い数量が1,000株、売り数量が500株の場合
- 買い数量の多い証券会社Aから証券会社Cまで100株ずつ割当…合計300株
- 500株から300株を差し引くと残り200株。証券会社A、証券会社Bに100株ずつ割当…200株
このように証券会社によって、配分される単位は異なります。
次に各証券会社は、配分された株を買い注文を出している顧客に配分します。
顧客への配分ルールは、時間優先の原則や抽選など、各証券会社ごとに定められています。
3.比例配分方式のストップ配分ルール
ストップ配分とは
売買のバランスが極端に一方に偏り、制限値幅の上限・下限(ストップ高・ストップ安)の水準に達した際、その水準での売り株数と買い株数の比率に応じて株価を決める方法。
「ストップ高比例配分」「ストップ安比例配分」「比例配分」と呼ぶ場合もあります。
(マネックス証券より引用)
証券会社ごとの比例配分ルールを知ることで、ストップ高銘柄の株を購入できる可能性を上げることができます。
ストップ高・ストップ安のとき、大引けで注文約定する人の決め方は、先着順やお得意様ランクなど証券会社によって異なります。
どの証券会社にどのような方法で注文を出せばよいか確認しましょう。
抽選ルール例
- 抽選方式(岩井コスモ証券・auカブコム証券)
- 注文種別(成行、指値、逆指値など)
- 時間優先(東洋証券・千葉銀証券)
- 注文数量
4.証券会社ごとの株式のストップ配分ルール
SBI証券
- 成行注文
- 寄成注文
- 引成注文
- 不成注文
- 制限値段の指値注文・制限値段の寄指注文
- 制限値段の引指注文
1~6それぞれの注文における優先順位は、発注時刻を優先し、発注時刻が同一の場合には抽選を行い、優先順位を決定いたします。
上記の順位で、1注文ごと1単位ずつ原則配分を行います。
1注文ごと1単位ずつ一通り配分を行ったのち、2単位以上の注文に対し2順目以降も上記条件で1単位ずつ配分を行います。
前営業日の大引け後からストップ配分が行われた日の午前8時00分頃までの注文は、同時刻の発注として扱われます。
auカブコム証券
- 完全抽選方式
大引け時点で、約定可能な成行注文・指値注文・引け注文を対象とし当社への割当株数分を抽選します。 - 配分方法
対象注文を発注されている口座単位に乱数を付加し、すべて配分されるまで1単位毎に乱数の順番にて配分を行います。
※申込株数の多少に係わらず1単位毎に配分を行いますので、申込株数が1単位のみと少額でも同じ確率で配分されることとなります。
松井証券
- 成行・寄付優先:注文の値段・執行条件の優先順位が高い順
- ①が同じ場合、該当注文の株数が多い順
- ①②が同じ場合、受付時間の早い順
松井証券の優先順位は「受付時間 < 注文株数」のようです。
マネックス証券
ストップ配分となる場合、投資家ごとに最低売買株数(1単元)ずつ配分
- 成行・成行寄付指定注文
- 指成、成行引け指定注文
- 指値・指値寄付指定注文
- 指値引け指定注文
優先順位の同じ注文条件同士では、注文の発注日時(注文訂正済みの場合は訂正日時)が早いものが優先されます。
なお、全員に割り当てることができたうえで、配分できる株式が残っている場合には、顧客ごとの未約定数量に応じて按分し、割り当てされます。
岩井コスモ証券(ネット)
受注した制限値段(成行を含む)の注文の顧客を、乱数による抽選方式で配分順位を決定します。
そして、配分数量を配分順位にしたがって売買の最小単位を配分します。
「残りの配分株数」があれば、受注株数に達していない顧客へへ配分順位にしたがって再度、売買の最小単位を配分し、「ネット」の配分数量がなくなるまで売買の最小単位の配分を繰返し行います。
※同一顧客からの複数の注文がある場合は、一つの注文として名寄せする。
※受注数量の大小や発注時間によって配分順位は決定しない。
【例】
銘柄×(売買単位:1,000株)が大引けストップ高(3,000円)で「ストップ配分」した場合
※岩井コスモ証券より引用
5.ストップ高比例配分で約定しやすい証券会社の選び方
多くの人が利用している証券会社では競争率が高くなり、ストップ高の株に注文しても約定する確率は低いです。
口座開設者数が多い楽天証券やSBI証券では、約定しづらいと考えておきましょう。
口座開設者数が少ないマイナーな証券会社で、抽選方式を採用しているところがおすすめです。
あまり知られていないネット証券や新しい証券会社の口座開設を検討してみましょう。
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