株主優待をタダでもらうクロス取引の方法はとても簡単!
信用売り+現物買いでクロス取引、権利落ち日に現渡しの3ステップです。
権利付き最終日までにこの優待クロスを完成すれば、翌日権利落ち日以降は売却可能!
株価値下がりリスク無しに、株主優待をGETできるお得な手法です。
・・・しかし
「欲しい銘柄の一般信用売り在庫が無い!」
「クロス争奪戦ってなんなんだ!?」
とお困りの方はいらっしゃいませんか?
優待クロスのやり方自体は簡単ですが、実際に希望の優待銘柄でクロス取引するにはコツが必要です。
今回は、クロス争奪戦の内容とコツについてご紹介します!
1.クロス取引初心者を悩ます問題点
一般信用売りの在庫数が無い!
優待クロスを始めると、まずぶち当たるのがこの問題です。
「・・・信用売り在庫が無い」
「5月株主優待」などのキーワードでネット検索したり、株主優待本を見ると様々な優待銘柄がありますが一般信用取引ができる銘柄は限られています。
その理由は、一般信用取引の性質上、取引所に注文するのではなく各証券会社の在庫に対して注文を出すためです。
証券会社が在庫していない銘柄や、人気があり在庫切れとなっている銘柄は在庫無しと表示されます。
在庫切れということは、在庫がなくなる前に優待クロスを完成させればよいのでしょうか?
確かに、利回りが高い魅力的な株主優待の場合、早めにクロス取引をしておくというのも一つの手かもしれません。
後述する争奪戦に敗れて、全く優待クロスできないよりは、手数料覚悟で一カ月半前からクロス取引をする方もいます。
しかし、貸株料と優待利回りを考えると、慎重に銘柄選定が必要です。
制度信用売りは、取引所に対する注文ですので証券会社の在庫に関係なく注文可能です。
しかし、前回の記事でご案内したとおり、逆日歩発生リスクがあります。
クロス取引に慣れている方は、リスク管理の元で制度信用取引を利用する場合もありますが、初心者にはお勧めできません。
希望条件に当てはまる優待銘柄が無い!
5月が権利月の優待銘柄は残念ながら多くありません。
3月が最も多く、次いで6月、9月、12月、その他の月は優待銘柄が少ないです。
少ない中から、一般信用売り在庫がある銘柄で優待内容が良いものはクロス取引注文が殺到します。
株主優待内容は、QUOカード500円分、1000円分など利回りが低いものも多く、利回りとコストのバランスを考えると銘柄選定に苦戦します。
1%超は人気銘柄で争奪戦必須のため要対策です!!
争奪戦って何?クロス取引するタイミングがわからない!
クロス取引について、調べると「クロス争奪戦」という言葉を頻繁に見かけます。
クロス取引で優良な株主優待をGETするには、この争奪戦を制する必要があります。
他に裏技的な方法もありますが、初心者の方にはまずこのクロス争奪戦に参加する方法をご紹介します。
一つでも多い株主優待をタダ取りしちゃいましょう!
2.クロス争奪戦とは
優待クロスをするためには、まず一般信用売りが可能な銘柄を空売りします。
一般信用売りできる株数は各証券会社ごとに限りがあり、人気銘柄をクロスするためには、争奪戦前の準備が必要です。
毎日決まった時間に補充される一般信用売り在庫の取り合い
利益率1%を超える人気銘柄の場合、5月末銘柄なら4/15~4/30までに優待クロスを完成してしまう人が多くいます。
前月最終週までは、前月末権利の優待取得者が資金拘束されているのでライバル少なく優待クロスしやすいのです。
利回りが高い人気銘柄の在庫は、当月には残っていません。
そのため、毎日一定時間に補充される在庫を待つしかありません。
※補充されない場合も多い
優待銘柄数の多い3月は銘柄選定が分散しますが、5月のように優待銘柄が少ない月は争奪戦が激化します。
ほとんどの証券会社が先着優先なので、クリック連打!
数秒間での激しい戦いとなります。
優待クロス人気は、近年人気が高まり壮絶な争奪戦により、通信エラー、通信遅延がたびたび起こります。保留マークがクルクル回って待機しなければならない場合もあります。
一般信用在庫の補充タイミング
秒単位での争奪戦になるので、時間前にログイン準備しておきましょう。
※auカブコム証券は、抽選なのでクリック連打不要です。
3.クロス取引の裏技【上級編】
3-1.フライングクロスで株主優待をタダどり(SBI証券)
クロス取引は、主に一般信用短期で取引しますが、15営業日の返済期限があります。
そのため、14日前にクロス取引が集中するので、その1日前に優待クロスを完成させることをフライングクロスと呼びます。
クロス取引の方法は、通常と同じです。
15営業日を経過した場合、どうなるかというと強制決済となります。
返済期限切れとなる権利付最終日翌日の権利落ち日に、信用売りポジションが成行で強制決済されます。
同じタイミングで現物株の売り注文成行きで決済しましょう。
メリット:一日前倒しすることでライバルが少なく優待クロスに成功
デメリット:売買手数料が2倍かかる
通常は、現物買い手数料+信用売り手数料のみ(現渡手数料は無料)ですが、フライングクロス強制決済の場合、現渡ではないので、上記に加え信用売りの決済手数料+現物売りの手数料がかかります。
しかし、手数料を考慮しても尚、優待内容が魅力的な場合、フライングクロスは価値があります!
権利落ち日朝に成行信用売注文と現渡注文
4.クロス取引で手数料を下げる3つの裏技
4-1.GMOクリック証券は株主優待を使って手数料が無料!?
GMOグループの株主優待を取得すれば、現物買付取引、信用新規買取引、信用返済買取引の手数料がキャッシュバックされます!
具体的には、GMOグループの株式(GMOインターネット等)の株式を権利月6月・12月にクロス取引すると株主優待特典が受けられます。
GMOクリック証券は、元々手数料が低いですし、優待銘柄も多いのでお勧めです。
- GMOインターネット株主優待(必要資金約20万円)
半年間で5000円分の手数料キャッシュバック! - GMOフィナンシャルホールディングス(必要資金約10万円)
半年間で3000円分の手数料キャッシュバック!
4-2.信用買い⇒現引で現物買いの手数料節約!
各証券会社の売買手数料は、一般的に、現物取引よりも信用取引が安いです。
その理由は、信用取引の場合、貸株金利が発生するからです。
その為、現物買いをする場合、信用買い ⇒ 現引注文にすると手数料が安くなります!
通常:一般信用売り手数料+現物買い手数料+貸株量
信用買い利用:一般信用売り手数料+制度信用買手数料+貸株量
通常 :一般信用売り手数料+現物買い手数料+貸株料
節約術:一般信用売り手数料+制度信用買い手数料+貸株料
※制度信用買いは、逆日歩リスクなし。一般信用より手数料が安い
4-3.楽天証券【いちにち信用】で現物買手数料無料
返済期限が1日、当日中に返済が必要な信用取引手数料は無料!!
いちにち信用を利用したクロス取引方法
- いちにち信用を利用して信用買い
- 当日中に現引(現物株と交換)を実行する(クロス取引の現物株買い)
- 1の信用買いのタイミングで、一般信用売り実行(クロス取引の信用売り)
さらに楽天証券での100万円以上の株式は、貸株料も無料!
高額銘柄をクロス取引する際におススメです。
楽天証券以外で一般信用売りしたい場合
- いちにち信用を利用して信用買い
- 当日中に現引(現物株と交換)を実行する(クロス取引の現物株買い)
- 信用売りした証券口座へ無料で株式移管手続き(出庫)する
優待権利落ち日に移管先で現渡決済
いちにち信用の注意点
■当日中に現引しなかった場合
オペレータ手数料として約4,000円がかかる。
いちにち信用取引を利用する場合は、必ず当日中に現引きしましょう。
うっかりさんは要注意です。
■株式移管手続きを行う場合
受渡に3営業日+移管処理(楽天出庫⇒移管先入庫)に数日間かかる
※移管受付停止スケジュール(月末頃)は移管できない
移管が遅れると優待権利落ち日に現渡できず、貸株料が嵩みます。
一般信用売りの返済期限にも注意しましょう。
優待クロス初心者の方には、ちょっと難しいので中級者向けのテクニックです。
4-4.主要証券会社のクロス取引で必要な手数料一覧表
SBI証券 :スタンダードプラン
楽天証券:コース
5.一般信用売り在庫確認方法
SBI証券
- ログイン後、「国内株式」
- 左下の「一般信用短期売り」
- 「一般信用売り一覧はこちら」
- 優待権利確定月
- 「信売」をクリックすると注文画面へ「注文発注」
- 信用売りした銘柄と同一銘柄を同一株数分、現物買い注文SBI証券:売建受注枠 ◎余裕あり ▲残りわずか×受 付不可
※争奪戦で獲得した後、6の買い注文を忘れないように注意しましょう。
楽天証券
一般信用売建可能数更新時間:
18時00分~18時55分(情報更新前在庫数は、全て0)
楽天証券の売り建て可能数量は、1人当たりの注文上限数、実際の在庫数は表示より多い
- 「国内株式」
- 「信用取引情報」
- 「一般信用売建銘柄」
- 弁済期限「14日」または「無期限」
- 売建 「一般(無期限)」または「一般(14日)」成行
- 本日中→「寄付」又は「引け」
6.複数ログインで争奪戦に挑め!
日興証券・SBI証券・GMOクリック証券は、複数同時ログイン可能
楽天証券は、複数ブラウザでの同時ログイン可能
クロス争奪戦は、数秒連打の激戦です。
複数ログインをしておき、すぐに次の銘柄の取引に進むための準備をすると効率的です。
リスク少なく堅実に投資する方法として、クロス取引、IPO株をご紹介しています。
どちらもギャンブル性が低く、マメな努力が報われるという共通点があります。
そしていずれもチャンスの間口を広げることが成功への近道です。
証券会社はそれぞれ特徴が異なるので、複数の口座開設をした方が効率的です。
特にSBI証券・auカブコム証券・楽天証券は、各種手数料が低く、優待クロス・IPOともに充実しているのでおすすめです。
(私自身は、もちろん3つとも口座開設しています)
まとめ
- クロス取引では、一般信用売り在庫が少ないという問題がある
- 優待銘柄が少ない月は、優待利回りが高い人気銘柄は争奪戦となる
- クロス争奪戦とは、毎日決まった時間に補充される一般信用売り在庫の先着注文(SMBC日興:平日17時、楽天:平日19時、SBI・GMOクリック:平日19時30秒)
- GMOグループ株主優待を使うとGMOクリック証券の一部手数料キャッシュバック
- 現物買いを、信用買い⇒現引注文にすると手数料が安くなる
- 楽天証券いちにち信用で現物買手数料無料になる
- 複数同時ログインをしておくと効率よく取引できる
手数料を抑えるテクニックは少し面倒ですが、資産運用の基本はコスト削減です。節約も大事!塵も積もれば山となるです。
優待クロスは大きな利益にはなりませんが、好きな株主優待をたくさん貰って、楽しい優待ライフを目指しましょう!
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