株価変動リスクが無い「クロス取引」を利用して株主優待をGETしたいけど、初めての信用取引に不安を感じる方はいらっしゃいませんか?
クロス取引(つなぎ売り)証券会社によって操作方法が異なり、信用取引初心者にはわかりづらいですよね。
今回は、主要ネット証券でクロス取引する場合の手順を解説していきます。
初心者も安心してクロス取引が始められるよう、証券会社のクロス取引の扱い方や注意事項も掲載しております
ぜひ最後までお読み下さい。
※本記事は専門用語が出てきますので、初心者の方は事前に↓の記事をご参照ください。
1.証券会社によって異なるクロス取引(つなぎ売り)の取扱
株主優待をタダでもらえるクロス取引・優待クロスという言葉が人気を誘い、クロス取引をする人が増加していますが、その扱いについては証券会社によって異なります。
大々的にクロス取引を推奨する証券会社もあれば、「株価操作」とみなされる場合があり消極的な考え方をする証券会社もあります。
私自身も「同日、同時刻、同銘柄の売り注文と買い注文を出すのは控えてください」とはっきり言われた事もあります。
個人で大ロットの取引をすることはないので、株価操作などできないと思いますが、念のため証券会社のHP等でどのような扱いになっているか確認しておきましょう。
今回は中でも口座開設者数が多く、クロス取引が行える主要ネット証券として、SMBC日興証券・SBI証券・楽天証券・auカブコム証券をピックアップしました。
各社クロス取引の特徴と操作方法等をみていきましょう!
①「SMBC日興証券」のクロス取引(つなぎ売り)
「SMBC日興証券」でのクロス取引のやり方
SMBC日興証券(ダイレクトコース)
【クロス取引のコスト】
金利 + 貸株料(※ダイレクトコースは信用取引手数料無料)
- 権利付き最終日までに
「制度信用買い」×「一般信用売り」+「当日に買建玉を現引」 - 権利落ち日に「現渡」
SMBC日興証券は、3年前2019念3月から、一般信用売りサービスの「返済期限3年の売建」の取り扱いを開始しました。
信用売り建てによりクロス取引で株主優待がお得にGETできる優待クロスを行えるようになりました。
SMBC日興証券の信用売りサービスでは、取扱銘柄や株式在庫が豊富なためクロス取引に向いていると言えます。
SMBC日興証券を利用する最大のメリットは、約定代金や建玉残高にかかわらず、手数料が無料ということ。
クロス取引などで「信用取引分の手数料無料!」これは他のネット証券会社にはない魅力です。
クロス取引(つなぎ売り)のコストを節約したい人は、SMBC日興証券を候補に入れるべきです。
貸株料については、1.4%と比較的安めです。
総合的に信用取引におけるコストで考えると、SMBC日興証券は抜群です。
しかし、SMBC日興証券の公式サイトで「クロス取引(つなぎ売り)」の方法を検索しても詳細ページはありません。
下記の用語説明のみ掲載されています。
クロス/クロス商い (クロス/クロスあきない)
大口注文を取引所の取引時間外で成立させる手法で、ひとつの証券会社が、ひとつの銘柄で、同じ株数の売り注文と買い注文を同時に成立させます。
大口注文の場合、取引所に発注すると予想していた株価よりも買値が高くなってしまったり、逆に予想していた株価よりも安くなったりするというリスクがありますが、クロス取引ではあらかじめ投資家の条件に合った相手を探してもらい売り買い同じ量を同時に発注するため、大口の注文を成立させるのに有効な手段です。
なお、東証などでは取引時間内(立会内)で行うこともできます。(SMBC日興証券公式サイト引用)
②「SBI証券」のクロス取引(つなぎ売り)
「SBI証券」でのクロス取引のやり方
【クロス取引のコスト】
現物買い・信用新規売建の手数料 + 貸株料
- 権利付最終日までに「現物買い」
現物取引と同じ枚数・同じ株価で信用取引「一般信用売り」 - 権利落ち日に、現物取引の買いで信用取引の売り建玉を「現渡」
※SBI証券でのクロス取引(つなぎ売りの注意点)
信用売りの返済期限や在庫数に気をつけて優待クロスを完成させましょう!
SBI証券の場合は下記の通り、公式サイトでクロス取引(優待クロス)を推奨しています。
③「楽天証券」のクロス取引(つなぎ売り)
「楽天証券」でのクロス取引のやり方
【クロス取引のコスト】
現物買い・信用新規売建の手数料 + 貸株料
- 権利付最終日までに、「現物買い」
現物取引と同じ枚数・同じ株価で信用取引「新規売建」 - 権利落ち日に、現物取引の買いで信用取引の売り建玉を「現渡」
※楽天証券でのクロス取引(つなぎ売りの注意点)
④「auカブコム証券」のクロス取引(つなぎ売り)
「auカブコム証券」でのクロス取引のやり方
auカブコム証券(ワンショット手数料)
【クロス取引のコスト】
現物買い手数料+信用売り手数料+貸株料+(プレミアム料)
- 権利付き最終日までに「現物買い」×「一般(長期)売り」
- 権利落ち日に「品渡」
auカブコム証券では、公式サイトで下記のように掲載しクロス取引(優待クロス)を推奨しています。解説がわかりやすい!
優待クロス取引(以下、優待クロス)とは、株主優待の取得を目的に、同じ銘柄を同じ株数で現物株式の買いと、信用取引の売建を同時に取引する手法のことです。
現物の買いと信用取引の売建を同じ株数・同じ値段で取引することになりますので、株価の変動で損が生じるリスクを抑えることができます。
Step1
買いたい株式(株主優待銘柄)の権利付最終日の寄付前までに、現物株式の買い注文と一般信用取引の新規売建注文を同じ株数で「成行注文」を行います。ポイント
- 同じ株数・同じ値段で約定するように、寄付前に同一執行条件で注文すること
- 逆日歩が発生しないように、一般信用取引を利用すること
Step 2
ステップ1の注文が約定していることを確認し、権利付最終日まで保有します。
※買いたい株式がストップ高、ストップ安となった場合、一部約定や約定しない場合等があります。
Step 3
権利付最終日の15:15以降に、現物株式と信用取引の売建玉を品渡で決済します。
ポイント
・権利付最終日の15:14までに品渡をすると、権利が得られません。auカブコム証券公式サイトより引用
※auカブコム証券でのクロス取引(つなぎ売りの注意点)
まとめ
信用取引を利用するクロス取引(つなぎ売り)は、証券会社によってその取扱い方、操作方法が異なります。
主要ネット証券4社のクロス取引のやり方をご説明しました。
- SMBC日興証券
「制度信用買い」×「一般信用売り」+当日に買建玉を「現引」⇒「現渡」 - SBI証券
「現物買い」×「一般信用売り」⇒「現渡」 - 楽天証券
「現物買い」×「新規売建」⇒「現渡」 - auカブコム証券
「現物買い」×「一般(長期)売り」⇒「品渡」
証券会社によって使う用語が異なり、操作画面も様々です。
ご自身の投資スタイルに合った使いやすい証券口座でクロス取引を試してみましょう!
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