「会社の休日に投資したい!」と思ったことはありませんか?
緊急事態宣言発令中は、自宅で自由に使える時間を持てましたが、解除とともに通勤時間や勤務先での滞在時間が増えつつあります。
株やFXをする時間が減ってお困りではないでしょうか。
投資はできれば市場が開いているリアルタイムに行いたいですよね。
しかし、東証が開いているのは平日の9時~15時です。
今回は、祝日や夜間にリアル取引できる「CFD取引」の基本についてご紹介します。
CFD取引は、幅広い分野に投資できると今話題の投資方法です。
「CFD・・・名前は聞いたことあるけど、どんな投資なのかわからない」
と感じている方は、是非参考になさってください。
1.CFD取引とは
証券CFD取引(Contract For Difference)とは、日本語にすると「差金決済」です。
少額の証拠金を預託し、国内外の上場株式、世界の株価指数・株価指数先物、債券先物等の価格を参照し、取引開始時と終了時の価格差により決済が行われます。
オープン価格とクローズ価格の差金が損益となる
※デリバティブ(金融派生商品)は、原資産の価値に連動する
会社員の方が勤務時間外にできる取引方法として、PTS取引で夜間取引を別記事でご紹介しました。
しかし、PTS取引は市場外取引なので流通量が少なく、市場価格から乖離し価格での取引になるリスクがあります。
さらに土日祝日の売買成立しません。土日にリアルタイムで取引できるのは、仮想通貨のみです。
仮想通貨に抵抗がある方におすすめなのがCFD取引です。
CFD取引は夜間や祝日にもリアルタイムで取引を行うことが可能です。
CFD取引は世界中の金融商品や指数などが投資対象となるので、世界のどこかで開いている市場があります。
リアルタイムで投資したい方にお勧めです。
2.CFD取引の種類
CFDには「取引所CFD」と「店頭CFD」の2種類があります。
取引所CFDと店頭CFDでは取引価格の決定方法が異なります。
- 取引所CFD(くりっく株365)
複数のマーケットメーカーより提示された価格の中で、投資家に一番有利な価格で取引可能 - 店頭CFD
各取引業者との相対取引のため、CFD取扱会社の提示価格で取引
取引価格だけで見ると、取引所CFDの方が明確で安心感があります。
しかし各社コストが異なるので、手数料も含めたうえで取引所CFDと店頭CFDでどちらが有利か総合的に判断しましょう。
3.CFD取引の仕組み
・CFD取引は、売り注文、レバレッジ(倍率)、ヘッジ取引など、株式売買よりも複雑なしくみになっています。
投資経験が半年以上あり投資の基本を理解している方に適しています。
・CFD取引を行うには、まずCFD専用の証券口座を開設する必要があります。
証券会社は、顧客から注文を受けたとおりの先物取引を行い、ポジションリスクを回避するための取引(ロールオーバー等)を行います。
投資家が自ら先物取引をする場合は、このロールオーバーに非常に手間がかかります。
先物投資は様々な商品があり魅力的ですが、かなり投資経験がある方でなければシステムを理解するのが困難です。
しかしCFD取引では、少額の手数料で証券会社に先物取引を託すことができます。
・CFD(差金決済取引)は、取引開始時点から取引終了時点に発生する差額を決裁して利益を出す取引です。
CFD取引は、原資産の売買を必要としません。
つまり、株式投資では最低投資額が高すぎて購入できないような銘柄に投資できるようになります。
・CFD取引では、未来の価格の動きを予測して取引を行います。
未来の価格がどのように動くかを予測し、売り取引、買い取引、どちらからでも取引を始めることが可能です。
■CFDの買いポジション
市場の価格が上昇すると利益が得られる
■CFDの売りポジション
価格が下落すると利益が得られる
4.CFD取引の流れ
- 証券会社に証拠金を差し入れる
- CFD取引(注文)したい①CFD銘柄②買建or売建③注文数量④価格を決定し注文する
- 反対取引により決済
先物取引では取引所により取引期限が設定されていて、期限経過による保有ポジションは自動的に清算されます。
一方、CFD取引では自動的に取引期限が切れることはありません(※一部商品は期限あり)。
ポジションを清算したい場合は、時価で反対売買します。(※期限前の反対売買も可能です。)
(出典:日本証券業協会)
5.CFD取引のメリット
- 平日(祝日含む)ほぼ24時間取引できる!
- 投資範囲が広い!国内外の株価指数、各種商品先物が対象
- 少ない資金で大きな取引可能!(レバレッジ効果)
- 配当を受け取ることができる
CFD取引で買いポジションを保有している場合のみ。
配当は取引金額(レバレッジがかかった金額)に応じて算出されます。
配当権利日に保有していた場合、大きな配当額がもらえます。 - 売りからの取引可能!下げ相場でも利益のチャンスが多い
6.CFD取引のデメリット(リスク)
①想定外の損失を被るリスクがある
CFD取引ではレバレッジを利用して、少ない証拠金で大きな投資をすることが可能です。
日本では1倍~25倍までのレバレッジがあります。
レバレッジ取引であるCFDでは保有時には、そのポジションの全額を支払う必要はありません。
決済時は変動した価格の差額分のみとなります。
損失が膨らみ必要証拠金の一定額を下回ると、追証が発生し資金を追加入金する必要があります。
期日までに追証を入金できなかった場合、損失拡大防止のため取引が強制終了されます。
これをロスカット取引と呼びます。
一部の証券会社では、レバレッジなし(1倍)でCFD取引を行うことが可能です。
個人的にははじめての投資に挑戦する場合、慣れるまでは不安なのでレバレッジをかけずに少額から試す方法をお勧めします。
CFD取引の魅力は、豊富な投資商品から選択できることです。
上場投資信託であるETFなどでは個別コモディティなど先物商品は少ないので、CFDを利用します。
投資機会の選択肢を増やすことが、資産を増やすための重要な要素だと思うので、新しい投資方法も取り入れることもおすすめです。
②スプレッド等の支払コストが発生する
CFD取引では、証券に支払うコスト「スプレッド」が発生します。
スプレッドとは、売値と買値の差額です。
流動性によって変化します。
スプレッド=5円
スプレッドはCFD業者ごとに値は異なります。
CFDは相対取引のため、CFD業者がスプレッドを独自に設定し利益を得ています。
手数料が安い業者は、スプレッドが大きくなる傾向がありますので、自分が投資したい銘柄のトータルコストを考慮して証券会社を選定しましょう。
スプレッドが大きく利益を縮小してしまう銘柄は避ける方が無難です。
またスプレッドの他に、取引手数料・為替手数料・ミニマムチャージ等の手数料があります。
③売りで保有している場合、配当金は支払義務が生じる
メリットで記載した配当金については、売り注文で保有している場合には、逆に支払い義務が生じます。
配当タイミングなどを確認する必要があります。
7.CFDとFXの違い
CFDとFXの仕組みやルールは、とても似ています。
FXもCFD取引の一種だからです。
レバレッジ、スプレッド、証拠金など共通の仕組みです。
デイトレーダーには、FXとCFDを併用して利用する方が多く、いずれも短期投資に向いています。
FXは「外国為替(通貨)」の上下を予測し投資します。
CFDは「株価指数」や「各種商品先物(コモディティ)」の上下を予測し投資します。
為替、株式など相場状況によりCFDとFXを使い分けるとよいでしょう。
まとめ
- CFD取引とは、証券会社に証拠金を預託し、開始時と終了時の価格差が損益となる
- CFD取引は世界中の金融商品や指数などが投資対象となる
- CFD取引には、取引所CFDと店頭CFDがある
- 平日(祝日含む)ほぼ24時間取引できる!
- レバレッジにより想定外の損失を被るリスクがある(追証・ロスカット)
- スプレッド、取引手数料・為替手数料・ミニマムチャージ等の手数料がかかる
CFD取引とは、半年以上の投資経験がある中級者以上の方を対象とした投資方法です。
CFD取引のリスクを十分に理解し、契約締結前交付書面等をしっかり確認し、自己判断で行う必要があります。
スプレッドなどのコストは証券会社によって異なるので、取引目的や自己資金を考慮し、冷静に銘柄選定しましょう。
初心者の方は、レバレッジが一倍から投資できる証券会社を利用して、少額から始めることをお勧めします。
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