TOB(株式公開株式)の基本②|TOBの株価は本当にあがるのか?

株式投資

TOB(株式公開買付)とは、企業買収の手段として用いられる。個人投資家にとってもTOBは儲けることが手段になるのでしょうか?

前回の記事で、TOBが発表されると、一般的には、株価はTOB買付価格にサヤ寄せし、上昇すると説明しました。

前回の記事はコチラ

TOB(株式公開株式)の基本①|ローリスク・ミドルリターンを狙え!
「TOBって何?どうやって参加するの?」 「TOBって、個人投資家にとっても稼ぐことができるの?」 と、ご質問を頂く機会が多いので、今回から2回に渡り、TOB(株式公開買い付け)について執筆します。 TOB(株式公開買付)とは、企業買収の手...

今回は、

TOB銘柄を既に保有している既存株主はどのように対処すればよいか

またTOBの発表後に購入するにはどうすればよいかを解説していきます。

実際にTOBがあると企業の株価はどのよう推移するか一緒に考えていきましょう。

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1.TOB(株式公開買付)とは

TOBとは …「株式公開買付」とも呼ばれる企業買収の手段M&A手法

TOBの基本については前回の記事をご参照ください↓

TOB(株式公開株式)の基本①|ローリスク・ミドルリターンを狙え!
「TOBって何?どうやって参加するの?」 「TOBって、個人投資家にとっても稼ぐことができるの?」 と、ご質問を頂く機会が多いので、今回から2回に渡り、TOB(株式公開買い付け)について執筆します。 TOB(株式公開買付)とは、企業買収の手...

2.TOBされる銘柄を持っている場合どうする?

TOBされる株式を既に保有している株主は、TOBが発表された後の行動は3つから選択することができます。

  1. TOB参加(TOBに応じる)
  2. 市場で売る
  3. 保有し続ける

①TOBに参加(代理人となる証券会社に株式を振替・申込)

TOBに応じて、参加するためには、代理人となる証券会社に株式を振替して申し込みをすることになります。

指定の証券会社でしか申し込みを行うことはできません。

株主は指定の証券会社に口座開設して、TOBの手続きを行えば買付企業が提示したTOB価格にて保有銘柄を売却することができます。

TOBの買付条件では株数に上限が設けられる場合があります(一部買付)。TOBが、中止や不成立になる場合もあるので、TOBの実施状況は常に確認しましょう。

■TOB参加の注意点
証券会社により移管(振替)手数料が発生する場合がある
※TOBが不成立あるいは中止となる場合もある

②市場で売却(TOB買付価格と買付単価を比較)

TOB発表後も株価上場が進む場合は、保有している証券会社に売却注文を出し、市場で売却できます。

買付単価・TOB銘柄の売買状況・TOB買付価格を確認して、判断しましょう。

一般的にTOBが発表されると対象銘柄の株価はTOB価格近辺まで値上がりする傾向です。

買付価格以上に値を上げていった場合は、市場で売却した方がお得ですね。

③継続保有

TOB発表後、TOB参加や市場売却をせずに、継続保有をすることもできます。

しかし、TOB終了後に上場廃止となる銘柄が多いです。

上場廃止となると、信託銀行で換金手続きが必要になるかもしれません。

保有株式の強制的な買取(スクイーズアウト)も考えられます。

その場合、他の株式取引との損益通算はできないので、確定申告が必要です。

上場廃止にならない場合、TOB成立後は株価が元の水準に戻ることが多いので、保有し続けても良いことは無さそうです。

3.TOB発表後にTOB株を購入して参加する方法

TOB発表後、対象銘柄を市場で購入し、TOBの申込みしてTOBに参加したいですよね。

買い取ってもらえる買付価格が決まっているので、安心して市場で購入することができそうです。

TOB銘柄を購入する際は、株式購入手数料や指定証券会社以外で購入した場合は、移管手数料がかかることも認識しておきましょう。

移管には時間がややかかるので、間に合うかどうかも確認が必要です。

TOB買付価格を下回る価格で購入できる場合の注意点は、全部買付か一部買付のどちらかという点です。全部買付の場合は、問題ありません。

TOB対象が「一部買付」の場合は注意!

TOBには、市場に流通している株の一部のみを買い付ける場合がります。

この一部買付の場合は、TOB価格に一気にサヤ寄せするのではなく、少しずつ株価が上昇します。

下落する場合もありますし、TOB価格付近に届かない場合もあります。

「TOB株を買おう!」と思っても必ず買えるとは限りません。

TOB銘柄に買い注文が集中すると、抽選での買付となる可能性があります。

当選した場合も、最低単位しか購入できないと考えておきましょう。

抽選、最低単位 … IPOに近いイメージですね。

IPOと違うところは、先着優先という点です。

4.市場価格がTOB買付価格を下回るケース

  • 敵対的TOBの場合
    スムーズにTOBが成立するかわからない場合は、市場価格が上がりづらいでしょう。
  • TOB買付条件で株数に最低数や上限が設けられる場合
    応募者が最低数を下回った場合には、TOB不成立となる可能性があるので市場価格は上がりづらいです。
  • ディスカウントTOB
    市場の株価よりも安い価格で行う株式公開買付け
    プレミアムが付かないので、投資家にメリットがなく応じないため不成立となりやすい。
市場価格がTOB買付価格を下回るケースでは、市場で購入した株を買い取ってもらえないリスクTOB不成立が懸念されるので、リスク有りと考えておきましょう。

5.TOBの当選確率を上げる方法

TOB株を購入する当選確率を高めるにはどうすればよいのでしょうか。

ポイントは下記の3つです。

  1. 早めに発注しよう!
    比例配分方式
    が用いられるので、先着優先です。
  2. 寄り付き前に発注しよう!
    ストップ高気配の銘柄の当選確率を上げるためには、寄り付き前に発注する必要があります。TOB以外でも同様です。
  3. 多くの証券会社に口座開設しよう!
    TOBの当選確率を上げるためには、できるだけ多くの証券口座を開設しておくと良いでしょう。

これも、IPOの場合と同じですね。窓を増やすことで当選確率も上がりますし、移管の手続きを省けますね。

まとめ

TOBはM&Aの手法で、企業の経営権などを取得するために不特定多数の株主から株を買い集める方法です。

保有している株がTOBされた場合は、3つから選択します。

  1. TOB参加(TOBに応じる)
    ※TOBに参加するには、指定証券会社へ移管(振替)手数料が発生する場合がある
    ※TOB銘柄に買い注文が集中すると、抽選での買付となる可能性があり、最低単位しか購入できない場合が多い
  2. 市場で売る
  3. 保有し続ける

TOB株を購入する当選確率を高めるには、比例配分方式のため早めの発注、寄り付き前の発注、多くの証券会社への口座開設がポイントです。

今後TOBが発表されたら、詳細を確認し、全部買付でTOB不成立になる可能性が低そうな場合はエントリーを検討しても良いのではないでしょうか。

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