2021年3月5日、株式相場は大きな動きがありました。
一時600円以上値を下げていましたが、米長期金利上昇に対して日本は金利を上げない方針が発表されると「円安」に動き、日経平均の下げ幅は縮小しました。
3/5の終値は-65.79 (0.23%)、3/6のドル円相場は108.40円です。
今後もインフレ、円安、株式市場の動きが読みにくい状況から、様々な資産保有方法を検討する必要があります。
私個人的には、金投資と海外保険を資産設計の一部に組み入れることをお勧めしています。
今回は中でもおすすめの金投資「金ETF」についてご紹介します。
1.金の値動き 株価・金利との関係
金は世界中で需要があり、いつでも換金できる価値があります。
社会経済の混乱やインフレに強い資産の代表として注目されています。
その理由は、金の値動きが、需給バランスだけはなく、政治や経済によってわかりやすい変動するためです。
特に下記により金の価値は大きく変動します。
1-1.金の変動要因
- 米ドルの為替変動
- 米金利、各国の金利
- 世界の経済動向
- 他の資源(原油・プラチナ等)価格
- 政府・年金基金等の組入れ状況
1-2.金の相関関係
株価↑ | 金価格↓ |
---|---|
株価↓ | 金価格↑ |
インフレ | 金価格↑ | 株価↑ | 現金価値↓ |
---|---|---|---|
デフレ | 金価格↓ | 株価↓ | 現金価値↑ |
金利↑ | 金価格↓ | 株価↓ | 現金価値↑ |
---|---|---|---|
金利↓ | 金価格↑ | 株価↑ | 現金価値↓ |
上記は一般的な相関関係ですが、株価・金・現金・インフレ・金利は複雑に影響します。
インフレになると、金の価格が上昇する特徴があります。
金利が上がっている場合も、インフレの影響で実質金利が下がり、金の価格は上昇する傾向があります。
インフレとは、物の価格が急騰し、通貨の価値を下げる状態です。
通貨を持っているより、他の物に換えて保有しようとする動きがでるからです。
金以外にも、銀、プラチナ、銅、ココア、とうもろこし、原油など、コモディティと呼ばれる様々な投資商品があります。
その中で、金は需要が高く人気があります。
(通貨の価値を換えるという意味で、不動産も同様です)
金は米ドル建てで取引されます。
1トロイオンス=●ドルと金価格が設定されます。
日本円で金に投資する場合、金価格の値動きだけでなく、ドル/円の為替相場の影響も受けます。
急激に円安になると、国内金価格が上昇してしまいます。
割高で買わなければならない状況となります。
2.金投資なら「金ETF」がオススメ!
金投資には、有事の危機的ムードによる買い以外にも、代替通貨、中国やインドの宝飾需要など大きな価値があります。
投資資産の約10%を金投資に充てることがおすすめです。
個人投資家が金投資するには、主に5つの方法があります。
- 金地金・アクセサリー・金貨等
- 純金積立
- 投資信託
- 金ETF
- 金先物・CFD
①②の現物資産は、保管料等がかかるため選択肢が省きます。
⑤の金先物等は投資初心者には難易度が高いため省きます。
③の金投資信託でも良いのですが、手数料が高い、リアルタイムで取引できないというデメリットがありますので、やはり④の金ETFがおすすめです。
それぞれの金ETF銘柄比較については、別記事をご参照ください
3.金ETF(上場投資信託)の特徴
3-1.金ETFのメリットとデメリット
・手数料が安い
・証券口座で管理できる
・現物資産のようにな難リスクなし
・自動積立ではないので、自分で購入タイミングを決める必要がある。
・流動性の低い(人気が低い)銘柄の場合、値動きが大きくなってしまう
金ETFは上場しているので、手数料が比較的安く、リアルタイムで売買ができる所が魅力です。
一方で、純金積み立てや投資信託のように自動積立することは基本的にできません。
毎月積み立ててドルコスト運用法のメリットを享受したい場合は、自分でスケジュールをたてて購入する必要があります。
金ETFは流動性の低い(人気が低い)銘柄の場合、値動きが大きくなってしまうというデメリットがあります。
3-2.金ETFの手数料
金ETFの手数料が銘柄によって異なります。
ETFの主なコストは、証券会社に支払う「販売手数料」と、投資信託と同様に毎日差し引かれる「管理費用(信託報酬)」です。
4.日本で買える金ETFの銘柄
金投資できるETFは大きく分けると、東証に上場している【国内ETF】と【米国ETF】があります。
国内ETFは円建て取引です。
「楽天証券」や「SBI証券」などネット証券の場合、東証が開いている間はいつでも証券口座から発注可能です。
米国ETFは、米国の証券取引所に発注することになるため、外国証券取引口座を開設しておく必要があります。
楽天証券やSBI証券の場合は、通常の証券口座から発注可能な米国金ETFは3種類あります。
【国内ETF】と【米国ETF】それぞれの特徴をみていきましょう!
4-1.国内東証上場の金ETF
- 1326 SPDRゴールドシェア
- 1328 金価格連動型上場投資信託
- 1540 純金上場信託(金の果実)
- 1683 One ETF(国内金先物)
- 1672 Wisdom Tree金上場信託
SPDR ゴールド・シェア受益証券
金の地金価格への連動を目指すETF。
金現物はHSBC銀行USAが保管。
ニューヨーク証券取引所からアーカ取引所、メキシコ証券取引所、シンガポール証券取引所にも上場している。
金価格連動型上場投資信託
金地金価格(1グラム当たり)に連動する投資成果を目的とする有価証券(指数連動債権)に投資する。
金への直接投資ではない。
WisdomTree 金上場投資信託
金地金価格に連動する投資成果を目指すETF。
HSBC銀行USA、N.Aが保管。
純金上場信託(金の果実)
金地金の理論価格に連動するように設計されたETF。
内国商品現物型ETF。
三菱商事と国内の倉庫で保管されています。
最大の特徴は日本国内で、金現物との交換が可能。
One ETF 国内金先物
金先物価格への連動を目指すETF。
投資対象は金先物で、金の現物への投資ではない。
One ETFのベンチマークは金標準取引の期先限月の清算値。
4-2.米国上場の金ETF
銘柄 | 運用会社 | 運用歴 | 経費率 | 資金 |
---|---|---|---|---|
GLD SPDRゴールドシェア | ステートストリート | 2004~ | 0.4 | 7.5兆 |
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト ブラックロック | ブラックロック | 2005~ | 0.25 | 2.9兆 |
GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト | ステートストリート | 2018~ | 0.18 | 0.6兆 |
最も歴史が長く、運用資金が大きい金ETF銘柄はGLDです。
その後IAUが誕生したことで、ステートストリートは2018年にGLDMを作りました。
4-3.手数料が安い「GLDM」が最もオススメ
2018年に誕生したばかりで歴史が浅く運用資金は低いですが、同じ会社が運用しているため信頼でき、手数料が最も安いところが魅力です。
投資運用では、手数料が低いことが重要なので、個人的にはGLDMへの投資を推奨します。
まとめ
前回に引き続き、金投資である金ETFについてご紹介しました。
- 金の価格は、株価・通貨価値・インフレ・金利の影響を受ける
- 金は米ドル取引の為、円安になると割高になる
- 金ETFは上場しているため手数料が安く、リアルタイムで売買ができる
- 金ETFは、東証に上場している国内ETFと、米国ETFがある
- 米国ETFは、GLD・IAU・GLDMの3種類がありGLDMは手数料が安い
国内上場の金ETFと米国上場の金ETFがありますが、「楽天証券」や「SBI証券」では、どちらも購入することが可能です。
手軽に始められる金ETFを、今後資産運用の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
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