不動産会社と言っても実は、不動産業にはいくつもの種類があります。
「家を売却したい!」と思った時に、不動産の買取や媒介を引き受けてくれるのは宅建業者と呼ばれる会社です。
さらに宅建業者の中でも、直接買い取りや買い取った物件の売却を得意とする「買取業者」と売主と買主をつなぐ「仲介業者」がいます。
宅建業者の中では、仲介と買取のどちらかしか行っていない事が多いので、売主様は公平な判断が出来ない場合が多いかと思います。
買取と仲介、どちらに依頼すべきか・・・
結論から言えば、
- 売り急いでないのであれば仲介の方が高額で売れる!
- 煩わしい手続きが面倒で即現金化したい場合は買取がおすすめ!
仲介も買取も両方共を得意としている宅建業者があれば、いちばん良いですよね。
今回は、不動産を売却する場合に仲介業者と買取業者どちらに依頼すべきかをまとめました。
仲介と買取、それぞれのメリット、デメリットを理解し、選択を誤らないように気をつけましょう!
1.不動産の売却は仲介業者と買取業者どっちがいい?
不動産の売却において、仲介と買取の違いは以下となります。
仲介と買取、どちらも一長一短なので詳しくみていきましょう!
1-1.仲介業者のメリットとデメリット
■仲介業者へ依頼するメリット
- 買取業者に依頼するより高く売れる
- 広く情報公開して買主を募集することができる
仲介業者はチラシやインターネットなどの広告を使って多くの人へ募集をかけることができます。
仲介の場合、一つの宅建業者に専任で依頼する(専任媒介)こともできますし、複数の仲介業者に依頼する(一般媒介)こともできます。
売却価格は売主に決定権がある為、希望価格で購入する買主が出てくるまで待てる場合は、仲介業者に依頼した方が金銭的なメリットが大きいです。
売却を急いでいない場合は、まずは仲介業者に依頼することをおすすめします。
■仲介業者へ依頼するデメリット
- 仲介手数料がかかる
- 売却に数カ月かかる可能性がある
- 契約不適合責任(買主への補償)を負わなければならない場合がある
仲介業者に依頼するデメリットとしてまず挙げられるのが、仲介手数料という仲介業者に支払う報酬額が発生することでしょう。
人気エリアなどの場合は仲介手数料が割り引いてもらえることもありますが、基本的には売買価格の3%+6万円(+消費税)がかかります。
売買価格が400万円以内の場合は計算方法が異なり売買価格の4%+2万(+消費税)、200万円以下の物件については、売買価格の5%(+消費税)です。
不動産は高額なケースが多いので、支払わなければならない報酬額も高額になりがちです。
せっかく希望価格で売却できても、思っていた以上に仲介手数料がかかり手取り額が減ってしまうこともありえます。
また、希望価格で売却したい場合、売れるまでに数カ月かかる可能性があります。
物件によっては売却に半年以上かかるケースもあります。
仲介業者へ依頼する場合の場合、下記の図が売却・引渡しまでの流れです。
1-2.買取業者のメリットとデメリット
■買取業者へ依頼するメリット
- 迅速に売却できる(最短一日)
- 仲介手数料がかからない
- 契約不適合責任(買主への補償)を負わなくていい場合が多い
- 売主情報が公開されずプライバシーを守ってもらえる
「とにかく早く売りたい!」という場合は、買取業者への依頼がおすすめです。
相続関係でもめている場合や、現金を迅速に用意して欲しい場合は買取業者へ相談しましょう。
打合せ回数も少なく、売却後に水漏れなど品質問題が起こった場合も補償しなくていいように契約不適合責任を免除してもらえる可能性が高いです。
また、買取業者の場合、訳アリ物件でも買取ってもらえる可能性大です。
建ぺい率オーバー、事故物件等でお困りの場合も相談にのってもらえます。
■デメリット
- 売却価格が相場より1~2割安くなる
デメリットは、売却価格です。
仲介業者に依頼する場合は、売主に価格決定権があるので希望価格で募集をかけることができますが、買取の場合、買取業者の買取可能額で売却することになります。
基本的には市場価格よりは2割程度安くなると思っておいてください。
その他に大きなデメリットはありませんが、多くの方は何より売却価格が最重要と考えるのでネックとしては大きいですよね。
不動産を売却する場合、仲介手数料以外に下記の費用などがかかります。
あらかじめ、いくらぐらい必要か調べておきましょう。
■不動産売却にかかる税金等諸経費
- 印紙税
- 登記費用(登録免許税・司法書士への報酬)
- 所得税(譲渡所得)
2.悪質な不動産業者に要注意!!
近年は物件価格が高騰する中、悪質な不動産業者もかなり活発化しています。
相場よりもかなり低い金額で所有不動産を売ってしまったという方をよく耳にしております。
- よく知らない不動産業者から営業電話があり、相場よりかなり高い金額での買取を提示されたので話を聞いてみた
- 「所有している不動産を●●万円で買いたいというお客様がいます!」などの文言がかかれているチラシ・広告などを見て問い合わせてみた
上記のような経験はございませんか?
魅力的な金額についつい気持ちが揺らいでしまったという方もいるのではないでしょうか。
業者の甘い言葉に決して騙されないようにしてください。
以下に挙げる契約に関しては細心の注意を払いましょう。
①買主が決まっていない売買契約
買主が決まっていないまま契約を締結させようとしてくる業者には注意してください。
特に「引き渡し日」が空欄の場合は要注意です。
「売主が見つかったらすぐに引き渡し日を設定します!」といいますが、彼らは物件を急いで売る気はありません。
いつまで経っても売れない状況にしびれを切らして、契約をキャンセルしたい・別の業者にお願いしたいといえば、契約違反として違約金を請求してきます。
売主にとってはかなり不利な内容でトラブルになりやすいので注意しましょう。
②手付金なしの売買契約
手付金なしの売買契約は注意しましょう。
手付金による契約解除(手付解除)ができなくなるリスクがあるからです。
基本的に不動産取引では、売主・買主ともに一方的に契約を解除することはできません。
双方が合意的に解除しなければならないのです。
契約書に盛り込まれる契約解除条項としては主に以下のものがあります。
- ローン特約による解除
- 引渡し前の滅失・損傷等による解除
- 契約不適合による解除
- 手付による解除
- 契約違反による解除
手付による解除は、支払った手付金を放棄もしくは倍返しすることで契約を解除できるとしたものです。
あなたが売主であれば、もらった手付金を倍にして返せば契約を解除することができるのです。(※あなたが買主の場合は、支払った手付金を放棄すれば解除できます。)
しかし手付金がゼロの場合、この手付での解除ができなくなります。
手付金なし契約は自分自身で逃げ道をなくしているようなものです。
相当の理由がない限りは手付金なしの契約は避けたほうが無難でしょう。
③専属専任媒介契約
不動産業者が不動産の売却依頼を受ける場合、必ず「媒介契約」を締結します。
不動産を売却する際はトラブルに巻き込まれないよう媒介契約の種類と内容について必ず理解しておきましょう。
媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。
それぞれの違いは以下です。
- 一般媒介 … 複数の不動産業者に売却の依頼をする。
- 専任媒介 … 不動産業者1社だけに売却の依頼をする。自己発見取引〇
- 専属専任媒介 … 不動産業者1社だけに売却の依頼をする。自己発見取引×
専属専任媒介契約は「依頼は不動産業者1社だけで、かつ自分で取引相手を見つけてくるのもダメ」という最も縛りが強い媒介契約です。
専属専任媒介契約後に、あなた自身がもっと高い金額で買ってくれる相手を見つけてきたとしても契約することはできません。
かといって専属専任媒介契約の解約もそう簡単にはできません。
途中で解約したいと思っても、業者が義務を果たしている以上は、依頼者都合による解除として、それまでにかかった広告活動費や違約金を請求される可能性が高いです。
縛りが厳しくトラブルにもなりやすい専属専任媒介契約はよほど信頼できる業者でない限りは慎重に検討することをオススメします。
実際にはこんな詐欺まがいのケースも・・・
過去に実際に耳にした話です。
とある投資用の区分マンションを2件所有しているオーナーがいました。
所有マンションの相場価格は2件とも1,200~1,400万円程度です。
物件価格も値上がりしているので2件ともそろそろ売却したいと考えていたところ、ちょうどタイミングよく不動産業者から営業電話がありました。
業者は所有している物件を「2件まとめて3,000万円で買い取りたい」といってきました。
オーナーは「1件あたり1,500万円なら悪くないな」と契約手続きを進めることにしました。
しかし後日、業者から「買主側の都合で売買契約書に記載する金額を2,500万円と500万円にしてほしい」と依頼がありました。
オーナーは少し不信に思いましたが、業者は「2件の内訳が変わるだけで合計は3,000万円で変わらないので安心してほしい」といいます。
「合計金額が変わらないならまあいいか」と思い、オーナーはそのまま売却金額2,500万円と500万円の売買契約を締結しました。
そして契約の決済日が近づく中、突然業者から連絡が入りました。
「申し訳ありません。2,500万円の方は買主がローンアウトになったため白紙解除になってしまいました。ですが500万円の方は無事ローン通りましたので手続き進めさせていただきます。」
オーナーは話が違うと業者に抗議しましたが、「売主様から契約を解除されるのであれば売買契約書に記載の違約金100万円を請求することになりますが…」といわれたそうです。
怪しい業者は無視!信頼できる業者に依頼しましょう
悪質な業者はあの手この手で魅力的なことをいい、とにかくあなたの注意を引いてきます。
そしてあなたから問い合わせをもらえれば彼らの勝ちです。
あとは専属専任媒介契約もしくは売買契約を締結し、逃げられないようがんじがらめにしたところで何らかの理由をつけて契約内容を変えてくるのです。
近年は物上げ業者による詐欺まがいの買取が横行し、手口も複雑になってきてます。
皆様もくれぐれもお気をつけください。
現実離れしすぎている金額を提示してくる業者はまず怪しいと思いましょう。
まとめ
不動産の売却を検討するなら「早く売りたいか」を冷静に考えて仲介業者か買取業者、どちらに依頼するか決めましょう。
- 売却まで数カ月待ってもいいなら仲介業者に依頼した方が高く売れる!
- 売り急ぎなら買取業者!面倒な手続きが少なく、即現金化できる!
そして、仲介でも買取でも信頼できる宅建業者を選ぶことがなにより重要です。
宅建業者の数は非常に多く、良い業者もいればそうでない業者もいます。
信頼できる不動産会社をお探しの場合は、大阪、東京でしたらご紹介可能です。
不動産売却でお悩みの場合は、お気軽にお問い合わせください。
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